初心を忘れず

発注元では技術者をリソースと称され、色々な会社さんから技術者が集められ俄かチームを結成して開発プロジェクトにあたりました。その中にはフリーの技術者さんも集められました。

金にモノを言わせた技術者の集め方は現代の傭兵、そのものでした。。

チームリーダーからWBSすら提示されないプロジェクトは、毎日降り注ぐ御客様の要望も受けながら目の前にある仕事をこなし、要件整理→設計→開発→テスト→移行・導入を完遂しなければなりませんでした。

来る日も来る日も仕事漬けで、チームのメンバはワーカーホリックになる者、早々に離脱する者もおりました。

そんな折、サブチームを任された私は悩みました。

会社は違えど、皆戦友であり、職場を離れればリソースではなく人間なんだ。生活があるんだと。それでは、どうすればメンバのやる気を引き出し、困難な仕事を完遂して全てがHappyになるのか？

多くの方の幸せのためにリーダが自己犠牲を厭ってはならい、というのは違和感なく実行していたようです。未だに私の理想のリーダ像であります。

その上でまずやった事は「どんなに遅くなったとしても21時には上がる」という勤務方針作りです。それにより、メンバの仕事に対する姿勢が変わりました。

（前）どんなに頑張ってもどうせ遅くまで残業しなければいけなんだ・・・
      ↓
（後）21時までしか仕事ができないので早く片付けよう！

次に、プロジェクト進捗の中で空いてしまう人が出ないよう、得意な技術を生かせるよう、仕事の配分をしました。一人に掛かる負荷を軽減するとともに、得意な分野・学びたい技術が得られるようにアサインしました。

この二つを実践する事で各人の仕事のスピードが劇的に変わりすぐに効果が出ました。

そのうち、手が空いているからと手助けを申し出る者や、無理なお願いも快く引き受けてくれ、期待以上の仕事をしてくれるメンバが現れました。皆、優れた技術者でしたから当然といえば当然です。そして嬉しかったのは私が不在の時でも「最善を尽くして21時には上がろう！ヒゲッチさんが居たらきっとそう言ってくれるはずだから！」と言いチームを鼓舞しくれるメンバまで出現した事です。m(；o；)m

この職場での経験は「リーダシップの重要性」を学ばせてくれました。
リーダがダメなら、メンバを不幸にする。
リーダが良ければ、メンバを幸せにする。
以前、私の尊敬する経営者に勧めて頂き講演を聴きに行った田舞徳太郎先生も社長について同じ事を強く言っておられました。全く同感であります。

「仕事を楽しむ」環境というのは、仕事の成果を上げる点でも、人材の成長を促しモチベーションを高めるという点でも大変重要であると考えております。

レリッシュの社名はそんな「仕事を楽しむ」という強い願いから生まれました。

人間は仕事だけしている訳ではありませんので、個人の生活・家族との生活・仕事・仲間と過ごす時間というすべての時間を『楽しむ』という意味を持たせて発起したのです。

そして、自分たちだけ楽しめばいいのか？

という疑問が湧くのはごく自然な事でした。

我々がご飯を食べられ、大好きなホームページ制作やデザイン、システム開発の仕事をさせて頂けるのは御客様のお陰。
安心で安全で豊かで便利な生活をさせて頂けるのは地域社会のお陰。

我々が受けた恩恵は、お返しするのが義理人情。

感謝の気持ちを持って義理を立てれば、いつかまた我々に返ってきます。

この初心は今も変わらず私や社員の行動を促し続けています。